林啓介『樺太・千島に夢をかける 岡本韋庵の生涯』

林啓介『樺太・千島に夢をかける 岡本韋庵の生涯』

明治37年(1904年)、東京小石川諏訪町の閑居で病に臥しながら、日露戦争の趨勢を案ずる老人がいた。彼の名は岡本韋庵(監輔)。天保10年(1839年)徳島県穴吹町三谷の小農に生まれた韋庵は、北辺防衛の重要性を訴え、27歳で樺太の海岸線を完全踏破、その後の幾多の困難にも北方開拓の信念を失わず、53歳で択捉島に上陸する。郷土・徳島県の歴史記述を通して地方創生に尽力した林啓介が描く、岡本韋庵の伝記小説。

配信開始日:2025年8月1日

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林啓介(はやしけいすけ)

1934年(昭和九年)、徳島県に生まれる。徳島県内の中学、高校で教員をしていた30代に「徳島作家」に参加して執筆活動を始める。ヴェンセスラウ・デ・モラエス、賀川豊彦、岡本韋庵など徳島ゆかりの人物評伝を執筆。また、第一次世界大戦期、鳴門市大麻町桧(旧・板野郡板東町)に所在した板東俘虜収容所の研究、史実継承にも力を注ぐとともに、当時のドイツ人収容者や子孫との交流を深め、地域創生にも尽力する。昭和44年徳島作家賞、昭和55年徳島県出版文化賞受賞。徳島県立ひのみね養護学校(現・徳島県立ひのみね支援学校)校長、鳴門教育大学非常勤講師などを務めるとともに「阿波の歴史を小説にする会」会長、徳島ブラジル友好協会会長、徳島日独協会副会長、徳島モラエス学会理事長、「とくしま文学賞」随筆部門の選考委員などを務めた。著書は『板東俘虜収容所』(『第九の里 ドイツ村』)、『樺太・千島に夢をかける 岡本韋庵の生涯』『美しい日本に殉じたポルトガル人 評伝モラエス』『賀川豊彦 時代を超えた思想家』、訳書は『板東ドイツ人捕虜物語』『鉄条網の中の四年半 板東俘虜収容所詩画集』『ユダヤ人の墓』など。2015年(平成27年)4月26日逝去。享年81歳。

制作にあたって

電子書籍化にあたって、以下の方々のご協力をいただきました。

徳島県立図書館/徳島県立博物館/徳島県立文学書道館/徳島県立城南高校/美馬市立図書館/美馬市教育委員会/美波町日和佐公民館/北海道大学附属図書館/富永眉峰氏著作権継承者/太田三郎氏著作権継承者(敬称略・順不同)

関連作品
『北の墓標 小説郡司大尉』